苦手なものは嫌いか
好き嫌いは、人の嗜好に起因する習性なので、他人が
理解するのは困難だ。
他人を理解しようとするから、多大なストレスを抱えてしまう。
あらかじめ、嗜好の多様性や特殊性を理解していれば、他人の
行動を許せる大きな心を持てるようになる。
この好き嫌いの分野で、不思議な現象がある。
それは、自分が苦手なことを嫌う現象だ。
例をあげれば、カラオケが苦手な人は、カラオケのデメリットや
自分が嫌いな理由を多く語る。
密室で空気が悪いとか、人の下手な歌を我慢して聞かなければならない
とか。
嫌いと苦手なことに対する意識は、全く違うが似た部分も多くある。
やはり、人は自分を正当化したい、間違ってないという意識が
強いのだろう。
人に同意して欲しいという気持ちもあるだろう。
ちょっと悲しい習性かもしれない。
イソップの話で、高くて、取れないブドウに対して、
「あのブドウは不味い」と言い訳する話の本質と似ている。
苦手なことを批判するのは、簡単で、いくらでもあげることができる。
ただ、その言動は他人を深く傷つける場合があるので注意してほしい。
冒頭に書いたように、それは嗜好の違いで、その対象に落ち度はないからで
ある。
よって、人間の習性は、苦手なことを嫌う傾向があり、それを理解した上で
日頃から人とうまく付き合うことを推奨する。